遺骨をお墓ではなく、『自然葬』として散骨する新しい供養の形。
墓守の継承が社会問題となり、
海洋散骨
樹木葬
手元供養
などが注目を集めています。
そして、新しい供養の際に必ず必要になるのが『粉骨』です。
『粉骨』とは、文字通り遺骨を砕き、粉末状にすることを言います。
また、大切な人の遺骨を『粉骨』するのであれば、
『自分の手で行いたい!!』
そんな考えをお持ちの方も、多数いるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、『粉骨』を自分で行っていいのか、業者に依頼する時の違いや、『粉骨』のメリット・デメリットを紹介していきます。
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粉骨は自分で行って大丈夫?業者との違いや方法、デメリット・メリットまで徹底解説
まず、『粉骨』を自分で行ってもいいのでしょうか?
結論から言えば、自分で行っても問題ありません。
法律やルール違反ではないのです。
ただし、他の遺族・親族ともしっかりと話し合って、合意があった上で行って下さい。
一度『粉骨』してしまうと、二度と元の状態には戻りません。
粉骨する場合は絶対に2mm未満にしなくてはならない
『粉骨』を自分で行うことは、法律に違反しません。
しかし、『粉骨』した遺骨のサイズを
2mm未満
にしないと、散骨した時に『遺骨遺棄罪』で法律に違反します。
粉骨を自分で行う方法と流れ
それでは、自分で『粉骨』をする前提で、『粉骨』の方法と流れを解説します。
遺骨を骨壺から出し乾燥
遺骨以外のものを除去
遺骨を細かく砕く
粉骨した遺骨の保管
粉骨の流れ【1】遺骨を骨壺から出し乾燥
まず、骨壺から遺骨を取り出します。
そして、しっかりと乾燥させましょう。
遺骨は火葬されていますが、骨壺の中の湿気などにより、遺骨自体が水分を含んでいるケースがあります。
特に墓じまいなどで、お墓から取り出した場合、骨壺の中に水が溜まっているケースが多くなります。
水分がある状態で『粉骨』すると、上手くパウダー状になりません。
そのため、骨壺から遺骨を取り出したら、遺骨同士が重ならないように広げて、自然乾燥させましょう。
自然乾燥が難しい場合、乾燥剤を使ったり、ドライヤーなどを使用し、しっかりと遺骨を乾燥させる必要があります。
粉骨の流れ【2】遺骨以外のものを除去
遺骨を乾燥させる段階で、遺骨以外のものを取り除きます。
火葬の際、燃えないものは棺に入れられません。
そのため、故人の身に着けていた
眼鏡
入歯
などが、骨壺の中に納められています。
また、棺桶に使われていた釘などが、混合している場合もあります。
しっかりと取り除いておきましょう。
粉骨の流れ【3】遺骨を細かく砕く
遺骨を乾燥させ、遺骨以外のものを取り除いたら、ついに『粉骨』です。
自分で『粉骨』するには、
自宅にある道具を使う方法
機械をレンタルする方法
があります。
粉骨の方法・自宅にある道具を使う
袋に入れて叩く
すり鉢、乳鉢で粉砕
ミルを使う
などの方法で、『粉骨』していきます。
袋に入れて叩く方法は、時間が掛からない方法ですが、綺麗なパウダー状にはなりにくいです。
また、遺骨を強く叩く行為が、人によっては強い抵抗感を覚えるかも知れません。
すり鉢や乳鉢を使う方法は、乳棒などを使って遺骨をすりつぶしていきます。
一度で粉砕することは難しいため、何回かに分けて作業を行います。
時間はかかりますが、きれいな細かいパウダー状にすることができます。
ミルやフードプロセッサーを使う方法は、最も簡易的に『粉骨』が行えるでしょう。
ただし、どの程度の硬さまで粉砕でき、刃こぼれや故障しないように、ある程度確認をしてから行いましょう。
粉骨の方法・機械をレンタルする
自分で『粉骨』する際、粉骨機などの道具を一式レンタルすることもできます。
レンタル期間と金額は、
1週間 ⇨ 2万円前後
が、最も一般的です。
手動で『粉骨』するのに比べ、時間も掛からず、きれいなパウダー状に仕上がります。
粉骨の流れ【4】粉骨した遺骨の保管
『分骨』が終了したら、遺骨を保管しなくてはなりません。
パウダー状になった遺骨は、ちょっとしたことで散らばってしまうため、真空パックにしておくのが良いでしょう。
なぜ真空パックかというと、パウダー状になった遺骨は湿気をどんどん吸います。
そして、カビが繁殖しにくい環境をつくるために必要なのです。
また、『海洋散骨』などを考えている場合は、水溶性の袋に前もって入れておきましょう。
粉骨業者に依頼する違いとメリット・デメリット
ここまで、自分で『粉骨』をする方法を解説しました。
確かに、道具を準備できれば、作業が多少大変ですが、自分で行うことも十分可能です。
しかし、『分骨』サービスをメインで行っている業者に頼めば、お金は掛かりますが、何かと気が楽でしょう。
そこで、自分で『粉骨』を行う場合と、業者に頼む場合とのメリット・デメリットを紹介します。
自分で粉骨するメリット
まず、自分で『粉骨』を行うメリットです。
費用が掛からない
故人を最後まで見送ったと思える
自分で粉骨するメリット・費用が掛からない
『粉骨』を自分で行えば、『粉骨』を業者に頼む費用が掛かりません。
粉骨業者に『粉骨』を依頼した時の費用としては、
手作業か?機械か?
持込立ち会いか?郵送か?
などの条件で変わりますが、おおよその目安として、
9,000円~40,000円
が、『粉骨』の一般的な費用となります。
自分で粉骨するメリット・故人を最後まで見送ったと思える
他人に任せず、自分の手で全て『粉骨』を行えば、
『最後まで見送れた』
と故人を偲ぶ気持ちを、行動に表現することができます。
特に、個人に対して特別な思い入れがあれば、なおさらのことでしょう。
自分で粉骨するデメリット
次に、自分で『粉骨』をするデメリットです。
精神的な負担がかかる
粉骨に時間がかかる
遺骨を場所ごとに分けられない
自分で粉骨するデメリット・精神的な負担がかかる
大切な人の遺骨を、自分の手で砕くことは、精神的に大きな負担になる可能性があります。
確かに、『最後まで見送れた』と思えるメリットもありますが、人によっては酷いことをしてしまったと感じ、大きなトラウマになってしまうこともあるのです。
自分で粉骨するデメリット・粉骨に時間がかかる
遺骨を2mm未満のパウダー状まで『粉骨』するのは、かなりの時間が掛かります。
また、時間短縮のために、先程紹介した機械をレンタルすれば、『粉骨』業者に頼む時と同じぐらいの費用が掛かります。
そして、遺骨には発がん性物質を含む危険性があり、無害化処理を行う必要がありますが、素人で行うのは難しいものです。
『粉骨』に至る前段階で、かなりの時間を要することになります。
自分で粉骨するデメリット・遺骨を場所ごとに分けられない
『粉骨』業者は、普段から遺骨に接しているため、骨に関しての知識も持っています。
そのため、喉仏や特定の場所の骨だけ分けることができます。
例えば、遺骨を手元供養するため、喉仏だけ分けて『粉骨』したいなどの要望に、業者であれば応えてくれます。
しかし、自分で『粉骨』をする場合、特定の骨を分けることが難しいのです。
まとめ
今回は、『粉骨』を自分で行っていいのか、業者に依頼する時の違いや、『粉骨』のメリット・デメリットを紹介しました。
故人を偲び、思いが強い人の中には、自分で『粉骨』を行いたい人もいます。
確かに、大切な人の最後を、他人に任せたくない気持ちも分かります。
しかし『粉骨』は、想像以上に肉体的・精神的負担がかかる大変な作業です。
自分で『粉骨』を行うメリット・デメリットを比較して、検討した上で判断して下さい。
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