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執筆者の写真橙縁社公式

三具足や五具足とは|意味やセット内容と並べ方、仏式で重要な仏具について


日本の葬儀の8割以上は、

  • 仏式(仏教)

で行われます。




そして、仏式で故人を供養する際、

  • 三具足(みつぐそく)

  • 五具足(いつぐそく)

用意するのですが、『三具足』とは何なのでしょうか?




そこでこの記事では、『三具足』の内容や使い方、宗派ごとの違いなどについて紹介していきます。



 

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三具足や五具足とは|意味やセット内容と並べ方、仏式で重要な仏具について



三具足』とは、

  • 香炉

  • 燭台(しょくだい)

  • 花立

という各一つずつで一組となる仏具のことをいいます。




ちなみに『五具足』は、

  • 香炉×1

  • 燭台×2

  • 花立×2

というように、燭台と花立が各1セットずつ増え、香炉を中心に左右対称一対の形で置かれる仏具のことです。




人が亡くなり『安置』された後、まず最初に用意する『枕飾り』から、先祖を供養する仏壇まで『三具足』が使用されます。

また『具足』という言葉は、『過不足がなく、必要な物が揃っている』という意味があり、『三具足』のセットは、仏教において非常に重要な仏具のセットだと言えるのです。



 

三具足の置き方と道具について



『三具足』の置き方は、

  • 香炉 ⇨ 本尊に向かって真ん中

  • 燭台 ⇨ 本尊に向かって右側

  • 花立 ⇨ 本尊に向かって左側

となっています。




仏教の宗旨、宗派によって違いはありますが、『三具足』は非常に重要な仏具なため、置き方を間違えないようにして下さい。




では次に、『三具足』の3つの道具について、内容や意味を深堀していきましょう。



 

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三具足のセット【1】香炉とは



仏教のみならず、宗教では『お香』が重要とされています。

その『お香』を焚くために、『香炉』が必要となるのです。




仏教では、

  • 伽羅(きゃら)

  • 白檀(びゃくだん)

などの香木がよく使われ、故人が旅立つ際の道しるべと考えられています。




昔は、遺体の腐敗臭を紛らわすためにも、『お香』を焚いてもいました。




また現在では、自宅などで『香炉』を用意する場合、線香を使用することがほとんどですが、『お香』という意味では違いはありません。

故人への供養として、香を供えるという考え方になる訳です。




『香炉』は、宗派によっての違いもあるため、『香炉』の種類についても触れておきます。

  1. 火舎

  2. 前香炉

  3. 土香炉

  4. 長香炉



 

香炉の種類【1】火舎(かしゃ、ほや)


火舎香炉(かしゃこうろ)』とも呼ばれ、真言宗の宗派でよく見られます。

真鍮(しんちゅう)製のものが多く、3本の脚がついており、蓋もあります。


 

香炉の種類【2】前香炉


前香炉(まえこうろ)』は、『線香炉』とも呼ばれます。




3本の脚が付いていて、上部分が大きく開口しています。

基本的には、仏壇用の香炉とされており、線香を立ててお参りする時に使います。




そのため、最も見慣れた『香炉』ではないでしょうか。

また、仏壇だけではなく、葬儀式の場面でもよく使用されています。


 

香炉の種類【3】土香炉


土香炉(つちこうろ)』は、

  • 透かし彫りがあるもの

  • 透かし彫りがなく、丸みがあるもの

の2つに大きく分けられます。




  • 透かし彫りあり ⇨ 真宗系(浄土真宗)

  • 透かし彫りなし ⇨ 曹洞宗

で使われることが多く、決まりはありませんが青磁(せいじ)のように、青や緑色が多い傾向にあります。


 

香炉の種類【4】長香炉


長香炉(ながこうろ)』は、他の香炉と形が異なります。

横に長い形をしており、線香を寝かせた状態で置くことができます


 

三具足のセット【2】燭台とは



燭台(しょくだい)』は、ロウソク立てとも呼ばれます。

その名の通り、ロウソクを立てるための台です。




ロウソクの火は、穢れ(けがれ)をはらい、煩悩を浄化してくれると考えられています。

また、仏様の慈悲や知恵の象徴であり、暗闇を照らしてくれるもの、ご先祖様が極楽とこの世を行き来するための目印など、様々な考え方をされている非常に大切なものです。




『燭台』に使われている材質は、

  • 真鍮(しんちゅう)

  • 黒檀(こくたん)という木材

  • 陶器製

など様々です。




『燭台』のデザインは、絶対にという明確な決まりはありません。

ですが、浄土真宗の場合、

  • 本願寺派(西) ⇨ 黒い仏具

  • 大谷派(東)  ⇨ 金色の仏具

を使うことが一般的で、宗旨・宗派によっての違いもあるため、仏具店のスタッフなどに確認をしましょう。




また現在では、火災の危険を防ぐためにも、電気式の『燭台』も販売されています。



 

三具足のセット【3】花立てとは



花立て』は、花を供えるために使う道具です。

  • 真鍮製

  • アルミ製

も使われますが、花瓶など花を供えられれば、特に材質に拘る必要はありません



 

三具足の意味とは



三具足』の意味としては、

  • 香り

  • 明かり

を故人に手向け、

  • 故人に安らかな眠りを

  • 仏様の加護がありますように

という願いが込められています。




また、特に『香炉』の香りは、生者を清めるという意味もあります。




このように『三具足』として、仏具の種類や並べ方が決まっていったのは、

  • 室町時代(約650年前)

くらいからとされており、江戸時代にかけて一般化していったと言われています。



 

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三具足ではなく五具足にする時はどんな場面なのか



まず、『三具足』が仏教の基本の仏具であり、『三具足』が揃っていれば問題ありません




ですが、特別な仏事の時、

  • 五具足(いつぐそく)

と言い、

  • 香炉 ⇨ 1

  • 燭台 ⇨ 2(1対)

  • 花立 ⇨ 2(1対)

以上の5点を置くことがあります。




特別な仏事とは、

  • 通夜、葬儀

  • 法要(49日、一周忌)

  • 開眼供養

などが該当します。



 

三具足はいつからいつまで必要するのか



『三具足』を使用する場面としては、

  • 人が亡くなった時に準備する枕飾り

から始まり、『通夜』や『葬儀』、『後飾り』と使用します。




そして一般的には、四十九日法要』を終え、仏壇に位牌を納めた後も、仏壇で使用するため、

  • 三具足は供養においてずっと使用

する仏教において非常に重要な仏具だと言えるのです。



 

まとめ



今回は、『三具足』の内容や使い方、宗派ごとの違いなどについて紹介しました。




三具足(みつぐそく)』は、仏教において非常に重要な仏具です。

そして、人が亡くなってから最初に準備するものであり、仏壇など先祖を供養し続ける限り、ずっと使い続けていきます




しかし、人が亡くなってすぐに準備することは難しいでしょう。

そのため、

  • 枕飾り

  • 通夜、葬儀

  • 後飾り

といった、49日法要』までの期間の『三具足』は、葬儀社が準備をしてくれるため、心配はいりません。




仏壇の購入などをきっかけに、ご自身で『三具足』を用意する時は、

  • 宗旨、宗派

ごとの決まりを考え、慌てずに準備をするようにして下さい。



 

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